※本記事は、筆者の山行(2026年4月)と、鋸山ロープウェー・鋸山日本寺・鋸南町・富津市の公式情報をもとにしています。料金・時間・通行止め情報は2026年9月26日に確認したものです。アフィリエイト広告は含みません。
「車を持っていないけど、海が見える山に登ってみたい」「関東で、電車だけで行ける初心者向けの山はどこ?」
結論から言うと、その条件なら千葉の鋸山(のこぎりやま)で決まりです。JR内房線の浜金谷駅から歩いて登り始め、山を越えて隣の保田駅から電車で帰る。車なしでも、行きと帰りで違う駅を使う「横断登山」ができます。私も2026年4月に、浜金谷駅から保田駅まで横断登山をしました。
ただし一つだけ注意があります。地図によっては保田駅へ抜けるルートとして載っている林道が、土砂崩落で通行止めになっています。保田駅へ抜けるなら、日本寺の境内を通るのが公式の案内です(拝観料がかかります)。
この記事では、電車で行く鋸山のアクセス・ロープウェーと日本寺の料金・横断ルートの注意点を公式情報で整理したうえで、実際に歩いて感じたことをまとめます。
【2026年9月26日時点の注意】台風25号の影響で、国道127号の富津市金谷〜鋸南町元名の約1.5kmが通行止めになっています(富津市の緊急情報、9月25日発表)。鋸山ロープウェーは9月26日は通常営業で、東京方面からは乗り場まで来られると案内しています。大雨のあとは電車の運行や登山道の状況が変わっている可能性があるので、出発前にJR東日本の運行情報と、各公式サイトの最新のお知らせを必ず確認してください。
鋸山の基本情報|標高329mの「海の見える低山」
鋸山は千葉県の房総半島の西側、東京湾に面した山です。稜線を境に北が富津市、南が鋸南町で、標高は329m。江戸時代から昭和60年まで「房州石(ぼうしゅういし)」という石材を切り出していて、山肌や稜線がノコギリの歯のようにギザギザに見えることから「鋸山」と呼ばれています。
山の南斜面、約10万坪が日本寺(にほんじ)の境内です。境内には、石の大仏座像としては日本最大の大仏(薬師瑠璃光如来)や、百尺観音、千五百羅漢、崖から突き出た「地獄のぞき」があります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標高 | 329m(山頂の三角点) |
| 最寄り駅 | JR内房線 浜金谷駅(富津市側)/保田駅(鋸南町側) |
| 浜金谷駅から | ロープウェー山麓駅まで国道127号を館山方向へ徒歩約8分 |
| 保田駅から | 日本寺の表参道の登山口まで遊歩道で約30分 |
| ロープウェー | 片道約4分/大人 片道650円・往復1,200円(小学生 片道320円・往復600円) |
| 日本寺 拝観料 | 大人700円/小人(4歳以上中学生未満)400円 |
| 日本寺 拝観時間 | 9:00〜16:00(最終入場15:00) |
(出典:富津市公式「鋸山」/鋸山ロープウェー公式「料金・営業時間」/鋸山日本寺公式)
電車でのアクセス|行きは浜金谷駅、帰りは保田駅
鋸山の登り口になる駅は、JR内房線の浜金谷駅と保田駅の2つです。隣り合った駅なので、片方の駅から登って、山を越えてもう片方の駅に下りるという歩き方ができます。車だと駐車場に戻らないといけないので、これは電車で行く人だけの特権です。
- 浜金谷駅:鋸山ロープウェーの山麓駅まで徒歩約8分。千葉駅から浜金谷駅までは普通列車で約80分(鋸山ロープウェー公式の案内)
- 保田駅:日本寺の表参道の登山口まで、遊歩道で約30分(日本寺公式の案内)
動画の概要欄にも書きましたが、新宿駅や錦糸町駅から乗り換えなしで行ける列車があるのも、東京に住んでいる人には大きなポイントです。運転日や時刻は時期によって変わるので、JR東日本の公式の時刻表で確認してください。
【重要】保田駅へ抜けるなら「日本寺の境内」を通る
ここがこの記事でいちばん伝えたいことです。
浜金谷駅から保田駅までは、首都圏自然歩道「関東ふれあいの道」の「東京湾を望むみち」というコースとして整備されています(浜金谷駅→観月台→ラピュタの壁→石切場跡→地球が丸く見える展望台→山頂→林道口→保田駅)。
ところが、このコースの保田側にある林道元名金谷線で令和4年(2022年)5月に大規模な土砂崩落が起き、歩行者も車両も通行止めになっています。鋸南町は「令和7年6月1日現在も同様の状況」と案内しており、千葉県も「山頂へは浜金谷駅側から入山し、山頂から浜金谷駅へ引き返してほしい」としています。
では保田駅へは抜けられないのかというと、そうではありません。鋸南町は、歩いて鋸南町側へ抜けるときは日本寺の境内を通り、表参道管理所を使うよう案内しています。境内を通るので、拝観料(大人700円)がかかります。
つまり、古い地図やネットの古いコース紹介のとおりに「山頂→林道口→保田駅」と歩こうとすると、通行止めにぶつかります。浜金谷から保田へ横断するなら、日本寺の境内を通るルートで計画し、拝観料と拝観時間(最終入場15:00)を計算に入れてください。
(出典:鋸南町公式「林道元名金谷線の通行止めについて」/千葉県「関東ふれあいの道 千葉県コースのお知らせ」/富津市公式「鋸山」)
鋸南町の「鋸山パノラマコース」も参考になる
鋸南町は、浜金谷駅から鋸山ロープウェーで上がり、百尺観音→地獄のぞき→千五百羅漢→大仏広場と日本寺の境内をめぐって保田駅へ下りる「鋸山パノラマコース」(10km・2時間30分)を紹介しています。ロープウェーを使う横断ルートの見本として参考になります。
歩かずに上がる方法もある|鋸山ロープウェー
鋸山には、千葉県で唯一のロープウェーがあります。山麓駅から山頂駅まで片道約4分で、通常15分間隔で運転しています(混雑時は5〜10分間隔)。
- 営業時間:9:00〜17:00(冬季 11月16日〜2月15日は9:00〜16:00)
- 料金:大人 片道650円・往復1,200円/小学生 片道320円・往復600円
- 休業:毎年1月中旬ごろから、年1回の検査で1週間〜1か月程度休業。荒天時は運転を休止することがある
ロープウェー公式によると、山頂駅から石切場跡までは徒歩で片道約30分です。体力に自信がない人は、登りだけロープウェーを使い、石切場跡や日本寺を歩いてめぐってから保田駅へ下りるという組み合わせができます。
(出典:鋸山ロープウェー公式「料金・営業時間」/同「見どころ」)
実際に歩いてみた|浜金谷駅から保田駅まで横断
ここからは公式の情報ではなく、2026年4月に実際に歩いた感想です。
この日は友人たちとグループで、浜金谷駅からスタートしました。ロープウェーは使わず、登りは歩きです。駅から少し歩いて登山道に入ると、つつじが咲いていて、4月らしい景色でした。
登りに使ったのは、車力道(しゃりきみち)と呼ばれる石畳の道です。仲間から「切り出した石を、女性たちが運んだ道なんだって」と教わりながら歩きました。足元をよく見ると、石に車輪の跡のような溝が残っていて、「石を運ぶための道だったんだ」と実感できます。落ち葉の積もった石畳が続く、雰囲気のある道でした。途中で一度休憩を挟みつつ登りました。
石切場跡は、想像以上に見応えがあった
いちばん印象に残ったのは、石切場の跡です。正直、ここは想像以上に見応えがありました。鋸山では江戸時代から昭和60年まで房州石を切り出していて、その跡が今も残っています。「低山だから景色はそこそこだろう」と思っている人ほど驚くはずです。
車力道を登りきると、「猫丁場」の道標があり、そこから先が石切場の跡です。まず驚いたのが、垂直に切り立った岩壁のあいだを抜ける細い通路。両側の壁には、石を切り出したときの跡が横じまのように残っていて、人の手で山を削ったんだということが一目で分かります。
その先には、四方を岩壁に囲まれて、底に水がたまった広場のような場所もありました。見上げると首が痛くなるほど壁が高く、ここは写真や動画を撮らずにはいられません。石切場の近くには、昔の採掘に使っていたと思われる機械が、錆びたまま置かれていました。
海が見える。これが鋸山のいちばんの魅力
鋸山は東京湾に面した山なので、山の上から海が見えます。動画のタイトルを「千葉の海が見える山」にしたとおり、ここが鋸山のいちばんの魅力だと思います。
石切場を抜けて展望台に着くと、目の前に海と海岸線が広がっていました。仲間と思わず出たのが、「この楽さでこの景色が見られるなら、かなり良いよね」という一言。この日は朝のうち曇り気味でしたが、それでも海まで見渡せました。お昼は山の中の木陰でとり、バーナーでお湯を沸かしてカップ麺を食べました。
昼休憩のあとは日本寺の境内へ。岩壁に彫られた百尺観音は、実物の大きさに圧倒されます。有名な「地獄のぞき」は、この日はかなり混んでいたので、先端に立つのはあきらめ、別の展望所から突き出た岩を眺めるだけにしました。午後は青空になり、展望所からは房総の山並みと海がきれいに見えました。休日に行くなら、地獄のぞきは混む前提で時間に余裕を持っておくのがおすすめです。
そこから下って、日本寺の大仏へ。山の斜面を背にした大きな石の大仏で、広い芝生の前から見上げる形になります。大仏を見たあとは下山して、線路沿いの道を歩いて保田駅へ。駅の近くのお店で、落花生とビールで打ち上げをしました(殻は床に捨ててOKというお店で、これも千葉らしい体験でした)。帰りは特急でゆったり帰宅です。
正直な感想:超初心者でも大丈夫な山
歩いてみた結論として、鋸山は「超初心者向け」の山です。しかもロープウェーがあるので、体力に自信がない人でも山頂付近まで簡単に上がれます。「登山を始めてみたいけど、いきなり長い山は不安」という人の最初の1座として、自信を持っておすすめできます。
ただし「超初心者向け」は、観光の服装・靴でいいという意味ではありません。日本寺の公式サイトも、境内は舗装されているものの階段が多く、歩きづらい所もあるとして歩きやすい靴を呼びかけています。また、浜金谷側からの登山道は整備された階段ではないと案内しています。スニーカーではなく、足首まで支えるトレッキングシューズで行ってください。
鋸山に行くなら知っておきたいこと
- 保田駅へ抜けるなら、日本寺の拝観料(大人700円)を用意する。林道元名金谷線が通行止めのため、歩いて鋸南町側へ抜けるには境内を通る
- 日本寺の最終入場は15:00。横断するなら、境内に入る時刻から逆算して朝のうちに出発する
- 靴はトレッキングシューズ。境内も登山道も階段と段差が多い。登山靴の選び方も参考にしてください
- 大雨・台風のあとは、出発前に最新情報を確認する。2026年9月は台風25号で国道127号が一部通行止めになった。電車の運行・ロープウェーの営業・登山道の状況をそれぞれの公式で確認
- ロープウェーは1月中旬ごろに検査で休業する。冬に行くなら事前に確認
同じく電車で行ける首都圏の低山としては、筑波山の白雲橋コースも歩きました。鋸山より標高差があり岩場も続くので、鋸山の次の1座にちょうどいい山です。登り始めがきついと感じる人は、登山は登り始めが一番きついもあわせてどうぞ。
よくある質問
Q. 鋸山は登山初心者でも登れますか?
A. 登れます。標高329mの低山で、ロープウェーもあります。私が実際に歩いた感想も「超初心者向け」です。ただし階段や段差が多いので、靴はトレッキングシューズにしてください。
Q. 電車だとどの駅で降りればいいですか?
A. JR内房線の浜金谷駅か保田駅です。ロープウェーを使うなら浜金谷駅(山麓駅まで徒歩約8分)、日本寺の表参道から登るなら保田駅(登山口まで遊歩道で約30分)です。行きと帰りで駅を変えて横断することもできます。
Q. 浜金谷駅から保田駅まで歩いて抜けられますか?
A. 抜けられます。ただし関東ふれあいの道の林道口から保田駅へ下りる区間(林道元名金谷線)は、土砂崩落で通行止めです。鋸南町は、日本寺の境内を通り表参道管理所を使うよう案内しています。拝観料がかかります。
Q. ロープウェーの料金はいくらですか?
A. 大人は片道650円・往復1,200円、小学生は片道320円・往復600円です。所要時間は片道約4分です(2026年9月26日に公式サイトで確認)。
Q. 日本寺の拝観料はかかりますか?
A. 境内に入る場合はかかります。大人700円、小人(4歳以上中学生未満)400円で、拝観時間は9:00〜16:00(最終入場15:00)です。
まとめ
- 鋸山は標高329m、東京湾に面した「海の見える低山」
- 車なしで行ける。JR内房線の浜金谷駅から登り、保田駅へ抜ける横断登山ができる
- 林道元名金谷線は通行止め。保田駅へ抜けるなら日本寺の境内を通る(拝観料 大人700円・最終入場15:00)
- ロープウェーは片道約4分・大人往復1,200円。体力に自信がなければ登りだけ使う手もある
- 石切場跡は想像以上に見応えがある
- 超初心者向けの山。ただし靴はトレッキングシューズで
【情報源】富津市公式「鋸山」/富津市「国道通行止め及び県道通行止めのお知らせ」/鋸南町公式「林道元名金谷線の通行止めについて」/鋸南町公式「鋸山ハイキングコース」/千葉県「関東ふれあいの道 千葉県コースのお知らせ」/鋸山ロープウェー公式/鋸山日本寺公式(いずれも2026年9月26日確認)

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