【秋の登山の服装】重ね着は3枚でいい|綿のTシャツとヒートテックをやめるだけで、秋の山は寒くなくなります

秋の低山の服装の早見表。①ベースは化繊で汗を吸って広げる、②ミドルは薄手フリースで保温しつつ蒸れない、③アウターは防水透湿のレインウェアで風と雨を止める 初心者道具選び

※本記事にアフィリエイト広告は含みません。製品の仕様・価格はモンベル公式オンラインストアとユニクロ公式オンラインストアの表記です。情報確認日:2026年10月30日

「10月の山って、何着ていけばいいんだろう」

「寒いのは分かるけど、ダウンまでは要らないよね?」

秋は、服装でいちばん迷う季節です。朝は寒い、登り始めたら暑い、山頂では風で凍える。1日の中で体感温度が10℃以上動きます。

結論から言います。秋の低山は、重ね着3枚で足ります。ベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウターの3枚です。それ以上は要りません。

そして、この3枚より先に直してほしいことが1つあります。綿のTシャツとヒートテックを、山に着ていくのをやめてください。秋の山でいちばん寒い思いをする原因は、気温ではなく汗だからです。

この記事では、秋の山がどれくらい寒いのかを数字で押さえたうえで、私が実際に着ている3枚と、着たり脱いだりするタイミングまで書きます。

秋の低山の服装の早見表。①ベースは化繊で汗を吸って広げる、②ミドルは薄手フリースで保温しつつ蒸れない、③アウターは防水透湿のレインウェアで風と雨を止める
秋の低山は、この3枚で足ります

私が実際に着ている3枚は、ショート動画にもまとめています。

秋の山が寒い理由は、数字で説明できます

「秋だから寒い」ではありません。山は、登るだけで気温が下がります。

島根県警察本部が出している山岳遭難防止の資料には、こう書かれています。

100m高くなる毎に約0.6℃低下、風速1m/秒につき体感温度は1℃低下

出典:島根県警察本部 生活安全部地域課「山岳遭難防止」資料(2026年10月30日確認)

この2つを当てはめると、秋の山の寒さが具体的に見えてきます。

平地20℃の日の山の気温の目安。標高1,000mで14℃、1,500mで11℃、2,000mで8℃。風速5m/sならさらに5℃低く感じる
平地20℃の日でも、標高1,500mの稜線で風が吹けば体感6℃です

街が20℃の過ごしやすい日でも、標高1,500mの稜線に立って風速5m/sの風を受けたら、体感は6℃。真冬の朝と同じです。

しかも登山中は、ここに汗が加わります。濡れた服は体から熱を奪い続けるので、汗で濡れたまま休憩すると、表示された気温より確実に寒くなります。これが汗冷えです。

秋の服装の目的は、「暖かい服を着ること」ではありません。汗を肌に残さないことと、止まったときに冷やされないことの2つです。3レイヤーは、そのための仕組みです。

①ベースレイヤー:ここだけは妥協しないでください

肌に直接触れる1枚です。役割は保温ではなく、汗を吸って生地全体に広げ、肌を乾いた状態に戻すこと。3枚の中でいちばん重要です。

綿のTシャツは、山に着ていかないでください

綿(コットン)は水を抱え込んで離しません。汗を吸ったらそのまま濡れた状態が続き、休憩のたびに体を冷やします。

「とりあえず家にあるTシャツで」は、秋以降の山ではやめてください。夏の低山なら乾くので済みますが、気温が下がる季節に汗で濡れたシャツを着続けるのは、単純に危険です。ベースレイヤーは化繊(ポリエステル)のものを選んでください。

ヒートテックは「街の服」です

「ヒートテックを着ていけばいいのでは?」と思った方へ。ここは、はっきり分けて考えてください。

ユニクロの公式オンラインストアによると、ヒートテッククルーネックT(9分袖)の素材は ポリエステル40%・アクリル32%・レーヨン21%・ポリウレタン7%。価格は1,290円(税込)です。

一方、モンベルのジオライン M.W.ラウンドネックシャツ Men's(#1107704)は ポリエステル100%、平均重量159g、価格は4,730円(税込)です。

ヒートテック クルーネックT(9分袖)ジオライン M.W.ラウンドネックシャツ
素材ポリエステル40%・アクリル32%・レーヨン21%・ポリウレタン7%ポリエステル100%
価格(税込)1,290円4,730円
公式の説明衣類内の湿気を吸収放出することでムレを軽減素早く汗を吸水拡散して素肌を乾いた状態に保つ
向いている場面街・通勤・普段使い汗をかく登山
2026年10月30日時点・ユニクロ公式/モンベル公式オンラインストアの表記

値段だけ見ればヒートテックの圧勝です。暖かさも、街で着るぶんには十分暖かい。

分かれるのは、大量に汗をかいたあとです。ヒートテックにはレーヨンが21%入っています。レーヨンは水分を抱え込む性質の素材で、登山のように汗をかき続ける場面では汗冷えしやすいと言われています。

街ならヒートテック、汗をかく登山ならジオライン。これが私の結論です。安いほうで済ませたい気持ちは分かりますが、ここは山用を1枚買ってください。秋以降の山で汗冷えすると、本当に寒いです。

この比較は動画でもやっています。

私が着ているのは「ジオライン+ウイックロンのTシャツ」の2枚重ね

ベースレイヤーは1枚だけでも成立しますが、私はジオラインの上にもう1枚、化繊のTシャツを重ねています。

2枚にしている理由は単純で、暑くなったときにTシャツ1枚の見た目で歩けるからです。ジオラインだけだと、脱いだときに下着姿になってしまいます。

なお、ジオラインには薄手(L.W.)・中厚手(M.W.)・厚手(EXP.)の3つの厚さがあります。秋の低山なら中厚手のM.W.でちょうどいいです。

②ミドルレイヤー:薄手のフリースを1枚

行動中に着たり脱いだりする中間着です。ここでよくある失敗が、厚いフリースやダウンを選んでしまうこと。暖かすぎて、登り始めて10分で脱ぐことになります。

秋の低山で欲しいのは、「保温してくれるのに、歩いていても蒸れない」薄手のフリースです。

私が使っているのは モンベルのクリマエア ライト ロングスリーブT Men's(#1106828)。平均重量102g、価格4,200円(税込)です。

クリマエア ライトの粗い編み目(無数の穴)のアップ
生地に穴が見えます。公式も「生地の編み目を広く粗めに編むことで高い通気性を備えます」と説明しています

公式の説明にあるとおり、編み目が粗いので着たまま登っても蒸れにくいのが利点です。「アウターを脱ぐことで蒸れを一気に逃がし快適な着心地が持続」とも書かれていて、実際そのとおりの使い方になります。

クリマエア ライトをキッチンスケールに載せると102gを表示
実際に量っても102g。脱いでザックに入れても気になりません

このクリマエア ライトは単体でも詳しくレビューしています → 【手が透ける!?】モンベル「クリマエア ライト」は登山の行動着に最強だった

③アウター:レインウェアが、そのまま防風着になります

秋用のアウターを新しく買う必要はありません。すでに持っているレインウェアが、そのまま秋のアウターです。

秋の稜線で寒さの原因になるのは、気温より風です。さきほどの数字どおり、風速5m/sで体感は5℃下がります。そして風を止める性能は、レインウェアがいちばん持っています。

テンペスト ジャケットの表面で水が玉になって弾かれている様子
私のアウターはモンベルのテンペスト ジャケット。雨の日と、風の強い稜線で出番がきます

私が使っているのは モンベルのテンペスト ジャケット Men's です。ゴアテックス ファブリクス3レイヤー、耐水圧20,000mm以上、平均重量247g、価格35,200円(税込)。脇にピットジップ(ベンチレーション)が付いていて、歩きながら熱を逃がせます。

レインウェアの選び方と、上下で予算をどう分けるかは別の記事に書きました → 【登山レインウェア】上下セットで買わなくていい|上はモンベル、下はワークマンにしている理由

ダウンジャケットは、秋の低山の行動着には要りません。歩いている間は暑すぎますし、汗を吸うと保温力が落ちます。日帰りの低山なら、3枚目はレインウェアで足ります。

3レイヤーは「脱ぎ着」して初めて効きます

ここがいちばん大事で、いちばん面倒くさいところです。3枚持っていても、着っぱなしなら意味がありません。

  • 登りで暑くなったら、我慢せずに脱ぐ……「どうせすぐ山頂だから」と着たまま登ると、汗だくになります。汗をかいてから脱ぐのでは遅いです
  • 休憩で立ち止まったら、すぐ着る……汗が冷えるのは一瞬です。ザックを下ろしたら、まず上に1枚羽織る
  • 稜線に出る前に着る……樹林帯から稜線に出たとたん、風の当たり方が変わります。出てから着るのではなく、出る前に着ておく

コツは、ミドルとアウターをザックの一番上に入れておくことです。取り出すのが面倒だと、人は脱ぎ着しなくなります。

合戦尾根の上部から見下ろす雲海と紅葉
秋の稜線。景色は最高ですが、樹林帯を抜けた瞬間から風が変わります

秋はもう2つ、持ち物が増えます

服の話ではありませんが、秋の山では装備も変わります。

3枚そろえると、いくらかかりますか

私が着ている組み合わせで計算すると、こうなります。

役割製品重量価格(税込)
ベースジオライン M.W.ラウンドネックシャツ Men's159g4,730円
ベース(重ね)ウイックロン ZEO T Men's124g4,350円
ミドルクリマエア ライト ロングスリーブT Men's102g4,200円
アウターテンペスト ジャケット Men's247g35,200円
合計48,480円
2026年10月30日時点・モンベル公式オンラインストアの価格。価格と在庫は変わることがあります

正直に言うと、4万8千円は安くありません。

ただ、アウター(レインウェア)は雨具としてどのみち必要なものなので、秋のために新しく買うのはベースとミドルだけです。そこだけなら1万3千円ほど。

そして、1枚だけ買うならベースレイヤーです。汗冷えを止めるのが、秋の服装で効果がいちばん大きいからです。

よくある質問

秋の登山で、ダウンジャケットは必要ですか?

日帰りの低山なら要りません。歩いている間は暑すぎますし、汗を吸うと保温力が落ちるためです。ただし山頂で長く休む場合や、標高2,000mを超える山、11月後半以降は、休憩用に軽いダウンをザックに入れておくと安心です。

ヒートテックで登山をしてはいけませんか?

街で着るぶんには問題ありませんが、登山用としてはおすすめしません。ユニクロ公式の表記ではレーヨンが21%入っており、汗をかき続ける登山では汗冷えしやすいと言われているためです。登山にはポリエステル100%のジオラインのような化繊のベースレイヤーを選んでください。

10月と11月で、服装は変えたほうがいいですか?

10月の低山なら、この記事の3枚でほぼ足ります。11月は冬の入口なので、ミドルレイヤーを厚手にするか、休憩用の保温着を1枚追加してください。標高が高い山では11月に雪が降ります。

下半身は何を履けばいいですか?

登山用のパンツに、寒ければタイツを足してください。ここでも綿のジーンズやチノパンは避けます。濡れると乾かず、重くなって動きにくくなるためです。

全部モンベルでそろえる必要はありますか?

ありません。この記事でモンベルが多いのは、私が実際に使っているからというだけです。大事なのはブランドではなく、「ベースは化繊」「ミドルは薄手で通気するもの」「アウターは防水透湿」という役割のほうです。

3枚だけで寒かったらどうすればいいですか?

まず、汗で濡れていないかを確認してください。秋の山で寒い原因の多くは気温ではなく汗冷えです。そのうえで寒ければ、ミドルレイヤーを厚手に替えるか、ネックゲイターと手袋を足してください。首と手先を覆うだけで体感はかなり変わります。

まとめ

  • 秋の低山は、ベース・ミドル・アウターの3枚で足ります。ダウンは要りません
  • 綿のTシャツとヒートテックは山に着ていかない。秋に寒い原因は気温ではなく汗冷えです
  • ベースはポリエステル100%の化繊。ここに1枚だけお金をかけるのがいちばん効きます
  • ミドルは薄手のフリース。歩いても蒸れない、編み目の粗いものを
  • アウターは新しく買わなくていい。持っているレインウェアが、そのまま防風着です
  • 標高100mで約0.6℃、風速1m/sで体感約1℃下がる。平地20℃でも1,500mの稜線は体感6℃です
  • 登りで暑くなったら脱ぐ、止まったらすぐ着る。脱ぎ着して初めて3レイヤーは効きます

情報源

いずれも2026年10月30日に確認しました。価格・在庫・仕様は変わることがあります。

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